Research Interests
私たちの研究は、分光器や磁気共鳴法などの手法を応用して一般健常人や鍛錬者、運動不足の人の代謝メカニズムを明らかにし、運動やスポーツ活動が人にもたらす重要性や体質改善の細胞基盤を提唱することを目指しています。
近年の研究は次のような関心事を含んでいます。
- 1)非侵襲的に筋組織の酸素代謝動態をモニタする手法を確立すること
- 2)酸素供給が制限される状況下において、骨格筋や心筋の細胞の応答や酸化的リン酸化の制御を検証すること
- 3)ミオグロビンやヘモグロビン、サイトクローム、ニューログロビン等と言ったヘムタンパク種の構造や機能を検討すること
- 4)脂質代謝を亢進させるための細胞機構の検討
- 5)細胞の酸化ストレス(酸化障害)や細胞機能に対する運動や栄養補助の影響の検討
- 6)アスリート(運動選手)の身体コンディショニングを向上させるためのトレーニング方法の検討、等々...。
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【関心事の例】 骨格筋への酸素供給と酸素代謝の協調
骨格筋においては、エネルギー生産工場(ミトコンドリア)の活動を維持するには河川(血流)によって運ばれる資源(酸素)を供給し続けなければなりません。ただし、身体活動レベルによって、この供給能力と消費能力が変化することが報告されています。つまり、運動やスポーツは骨格筋の酸素代謝能力の維持・向上に重要だということです。
しかしながら、供給元と消費元をつなぐ機構については不明な点が多いのも事実です。私たちの研究室では、筋細胞内では河川から工場までの資源供給を運搬車(ミオグロビン)が担っていると考え、これまでに興味深い知見を得てきました。
私たちの研究室では、この運搬車(ミオグロビン)に注目し、これと工場(ミトコンドリア)の関連性について明らかにしようとし、ひいては、筋代謝のメカニズム全体を包括的に検討していこうと考えています。